







(版元紹介文より)
中国の北方では、人々は別れの時に、手作りの水餃子を囲んでその別れを惜しむという。
自身の研究分野を「民族音楽学」に決めた著者が選んだ調査地は中国の農村。1988年、文化大革命後に「改革開放」へと舵をきった中国で、右も左もわからぬまま「研究」への情熱と未知なる大地へのあこがれだけで、彼女のフィールド調査がはじまった。
中国の都市や農村での調査をきっかけにさまざまな出会いがあった。「怖いものはない」という皮肉屋の作家、強烈な個性で周囲の人々を魅了し野望を果たす劇団座長、黄土高原につかの間の悦楽をもたらす盲目の芸人たち……「親切な人」とか「ずる賢い人」といった一言では表現できない、あまりにも人間臭い人々がここにはいる。それぞれの物語で描かれている風土と生命力あふれる登場人物に心うごかされ、人の心のありようについて考えてみたくなる。
1988年以降の中国という大きな舞台を駆け巡った数十年間には無数の出会いと別れがあった。その中から生まれた14の物語をつづったエッセイを、40以上のイラストとともにお届けします。
著:井口淳子
イラスト:佐々木 優
装丁:野田和浩
発行:灯光舎
224ページ 並製
A5変形(148mm×195mm)
●書籍佇まい(書籍仕様)
表紙は佐々木優さんのイラスト。今回は背(固定部分)に別の用紙を使用したD-SPINE製本を施しました。帯の表面にはつるつるとした肌触りのベルベット加工を採用。手に触れてその感覚をお確かめください。
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本文紙 - オペラクリームマックス
表紙 - 洛陽α
帯 - ヴァンヌーボV ナチュラル
製本 ー 並製 背巻ーD-SPINE製本
●帯 ベルベット加工
印刷:創栄図書印刷株式会社
製本:渋谷文泉閣
用紙:株式会社松村洋紙店